失敗路線を突き進む AIチャットボット導入の行く末
チャットボットの中には、導入の段階から高い負荷を強いられる場合があります。それは、ユーザーの質問に応じて回答を分岐させていくシナリオを大量に作成しなければならない、という製品やサービスを選択した場合です。このシナリオ作成の負荷が想定よりはるかに高いため失敗してしまうわけです。
運用の段階に入ってもシナリオの問題は付いて回ります。間違った回答をしていることが分かった場合の修正はもちろん、法令の改正などに伴う情報の更新など、ここでもシナリオに関する作業が発生してしまうのです。この負荷に耐え切れずに、チャットボットの導入や運用で挫折してしまうのです。
チャットボットを業務で利用する場合、用意しなければならないシナリオは、当然、業務に関するものになります。しかし、業務部門では対応できず、ITに詳しい情報システム部がメンテナンスを担当しなければならない場合もあります。そうすると、業務部門も情報システム部も、チャットボットの運用に多くの労力を取られるという事態になってしまいます。このようにして、結局は使わなくなってしまうケースが、また一つ増えていくわけです。
無理なく、無駄なく、後悔なく! 次世代のAIチャットボットの確かな選び方とは
1.シンプルで手軽な仕組み
チャットボットに限らずAI導入の一番の課題は、大量のデータを用意することです。これには多大な労力がかかるだけでなく、専門的な知識が必要となる場合があります。専門担当者がいなくてもシンプルで手軽な仕組みで構築できないと、運用が継続できなくなってしまいます。導入後も、簡単にメンテナンスできることも重要なポイントとなります。
2.各所に保存されている情報資産をクイックに検索
次世代のAIチャットボットは多種多様な質問に答えなくてはいけません。そのためにはさまざまな種類のファイルを検索できることも重要です。知りたいことは、事前に登録されたFAQだけとは限りません。ファイルサーバーやクラウドストレージの文書ファイルに含まれている場合があります。さまざまな場所から必要なファイルを探す「調べもの」は、働く人にストレスを与えます。各所に点在する必要書類にクイックにアクセスできることは次世代のAIチャットボットの欠かせない機能です。
3.複数システムとの連携が可能な拡張性
調べたい情報は文書ファイルだけではありません。顧客情報や、在庫情報など、別の業務システムにあるケースも少なくありません。そのたびに対象のシステムを立ち上げて調べる作業は、思った以上に手間がかかるものです。複数のシステムと連携して情報検索ができることも次世代のAIチャットボットに求められる機能です。
次世代のAIチャットボットは、手軽で、さまざまな用途で使える、拡張性の高い次世代の製品を選ぶ必要があります。次世代のAIチャットボットがもたらす
3つの効果
1.より付加価値の高い業務への集中
株式会社オウケイウェイヴのシンクタンクであるオウケイウェイヴ総研の調査によると、会社員が調べものに費やす時間は1日1.6時間。日本全体で1日当たり約1,057億円相当の賃金が調べものに充てられている計算になります。 知らず知らずのうちに蓄積される作業時間は、社員の長時間労働を誘発する要因にもなります。業務上付加価値の低いとされる調べものにかかる時間を削減することで、本来取り組むべき業務に従事する時間が増え業務効率を向上し、働きやすい環境を作ります。
2.社内情報の共有によるビジネスチャンスの創出
リソース不足などの理由により、異動や退職に伴う引継ぎが適切に行われず、後任者が有益なデータの存在に気付かずに価値を眠らせてしまっていることがあります。 AIチャットボットを情報検索のプラットフォームにすれば、点在する情報の中から欲しい情報を一度に検索することができ、共有された情報により新たなビジネスチャンスも生まれます。
3.スピーディーな対応で機会損失を低減
スピードが勝負を分ける現在、情報の見つけにくさがビジネスに影響を与えることも少なくありません。たとえば、顧客からの問い合わせがきたが、担当者が不在のため回答ができない、スケジュールが遅延するなど、情報の見つけにくさにより顧客からの期待が不満に変わり顧客満足度の低下を招くこともあります。AIチャットボットを導入すれば、蓄積されたデータをもとにして、顧客からの質問に対しスピーディーで適切な回答が可能となり、機会損失を減らすことができます。